登録販売者試験に合格するために独学で学ばれてる方にも
分かりやすく解説とポイントを押さえていきます。
過去問題から作成したテストもあります。
さぁ、合格目指して頑張っていきましょう。
今回から第3章 主な医薬品とその作用を学んでいくよ。
3章はもっとも量が多くて苦手な人も多くて挫折する人も多いかもしれないけれど、登録販売者としてもっとも醍醐味の詰まった章だとおもうよ。まずはかぜ薬について学んでいこう。
まだ、細かく覚える必要はないから、全体像をイメージしていこうね。
1 かぜ薬
1)かぜの諸症状、かぜ薬の働き
「かぜ」(感冒)の症状は、くしゃみ、鼻汁・鼻閉(鼻づまり)、咽喉痛、咳、痰等の呼吸器症状と、発熱、頭痛、関節痛、全身倦怠感等、様々な全身症状が組み合わさって現れます。「かぜ」は単一の疾患ではなく、医学的にはかぜ症候群といい、主にウイルスが鼻や喉などに感染して起こる上気道の急性炎症の総称で、通常は数日~1週間程度で自然寛解し、予後は良好です。
- かぜの約8割はウイルス(ライノウイルス,コロナウイルス,アデノウイルスなど)の感染が原因です
原因となるウイルスは、200種類を超えるといわれており、それぞれ活動に適した環境があるため、季節や時期などによって原因となるウイルスや細菌の種類は異なります。 - 細菌の感染や、まれに冷気や乾燥、アレルギーのような非感染性の要因による場合もあります。
数字まで覚える必要はありませんが、風邪のほとんどの原因はウイルスだということは覚えておきましょう
- かぜとよく似た症状が現れる疾患に、喘息、アレルギー性鼻炎、リウマチ熱、関節リウマチ、肺炎、肺結核、髄膜炎、急性肝炎、尿路感染症等多数がある。急激な発熱を伴う場合や、症状が4日以上続くとき、又は症状が重篤なときは、かぜではない可能性が高いです。発熱や頭痛を伴って悪心・嘔吐や、下痢等の消化器症状が現れることもあり、俗に「お腹にくるかぜ」などと呼ばれるが、冬場にこれらの症状が現れた場合はかぜではなく、ウイルスが消化器に感染したことによるウイルス性胃腸炎である場合が多いです。
- インフルエンザ(流行性感冒)
かぜと同様、ウイルスの呼吸器感染によるものであるが、感染力が強く、また、重症化しやすいため、かぜとは区別して扱われます。
かぜ薬とは、かぜの諸症状の緩和を目的として使用される医薬品の総称であり、総合感冒薬も呼ばれます。かぜは、生体に備わっている免疫機構によってウイルスが消滅すれば自然に治癒します。したがって、安静にして休養し、栄養・水分を十分に摂ることが基本です。かぜ薬は、ウイルスの増殖を抑えたり、ウイルスを体内から除去するものではなく、咳で眠れなかったり、発熱で体力を消耗しそうなときなどに、それら諸症状の緩和を図る対症療法薬です。なお、かぜであるからといって必ずしもかぜ薬(総合感冒薬)を選択するのが最適とは限りません。発熱、咳、鼻水など症状がはっきりしている場合には、症状を効果的に緩和させるため、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鼻炎を緩和させる薬などを選択することが望ましいです。存在しない症状に対する不要な成分が配合されていると、無意味に副作用のリスクを高めることとなります。
風邪がもし4日以上続くようならそれは風邪じゃないのかもしれないから注意しないとだね
過去問にチャレンジ
かぜ及びかぜ薬(総合感冒薬)に関する以下の記述のうち、正誤を答えよ。
- かぜは、医学的にはかぜ症候群といい、主に細菌が鼻や喉等に感染して起こる上気道の急性炎症の総称である。
- かぜとよく似た症状が現れる疾患として、関節リウマチ、肺結核、尿路感染症が挙げられ、症状が4日以上続くとき、又は症状が重篤なときは、かぜではない可能性が高い。
- 発熱や頭痛を伴った悪心・嘔吐や下痢などの消化器症状が冬場に現れた場合は、かぜではなく、ウイルスが消化器に感染したことによるウイルス性胃腸炎である場合が多い。
- 咳の症状がはっきりしているかぜの場合であっても、総合感冒薬を選択するのが最適である。
解答と解説
(1)× :主にウイルスが鼻や喉などに感染して起こる上気道の急性炎症の総称です。
(2)〇
(3)〇
(4)× :症状を効果的に緩和させるため、解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鼻炎を緩和させる薬などを選択することが望ましいです。
2)主な配合成分等
(a) 発熱を鎮め、痛みを和らげる成分(解熱鎮痛成分
- アスピリン
- サリチルアミド
- エテンザミド
- アセトアミノフェン
- イブプロフェン
- イソプロピルアンチピリン
- 解熱作用
ジリュウ、ショウキョウ、ケイヒ、ゴオウ、カッコン、サイコ、ボウフウ、ショウマ - 鎮痛作用
センキュウ、コウブシ
- アスピリン、サザピリン、イブプロフェンについては、一般用医薬品では、小児に対してはいかなる場合も使用しないこととなっています
- サリチルアミド、エテンザミドについては、15歳未満の小児で水痘(水疱瘡)又はインフルエンザにかかっているときは使用を避ける必要があります
一般の生活者にとっては、かぜとインフルエンザとの識別は必ずしも容易でありません。医薬品の販売等に従事する専門家においては、インフルエンザ流行期等、必要に応じて購入者等に対して積極的に注意を促したり、解熱鎮痛成分がアセトアミノフェンや生薬成分のみからなる製品の選択を提案したりする等の対応を図ることが重要です。
次回解熱鎮痛成分について学んでいきますのでまずは、目を通すぐらいで大丈夫です
(b) くしゃみや鼻汁を抑える成分(抗ヒスタミン成分、抗コリン成分)
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
- カルビノキサミンマレイン酸塩
- メキタジン
- クレマスチンフマル酸塩
- ジフェンヒドラミン塩酸塩等
抗ヒスタミン薬は、体内でアレルギー症状を引き起こす「ヒスタミン」という化学伝達物質の作用を抑えることにより、症状を改善する薬です。
風邪薬、咳止め、花粉症の薬、酔い止めなどさまざまな製品に配合されています。
カルビ…なんだかおいしそうな名前
あはは、そうだね。
後ろの塩酸までは覚える必要ないからね。
- ベラドンナ総アルカロイド
- ヨウ化イソプロパミド
アセチルコリンという物質のはたらきを抑える薬の作用を「抗コリン作用」、抗コリン作用のある薬剤成分を「抗コリン薬」と呼びます。
2章でアセチルコリンって学んだけど覚えているかな?
鼻粘膜の充血を和らげ、気管・気管支を拡げる成分(アドレナリン作動成分)
- メチルエフェドリン塩酸塩
- メチルエフェドリンサッカリン塩
- プソイドエフェドリン塩酸塩
- マオウ(生薬成分)
いずれの成分も依存性があることに留意する必要があります。
アドレナリン作動成分
自律神経の働きを優位します。
上の2章 7日目のリンクでも説明しているよ。
(d) 咳を抑える成分(鎮咳成分)
鎮咳成分には、麻薬性と非麻薬性があります
- コデインリン酸塩水和物
- ジヒドロコデインリン酸塩
コデインリン酸塩水和物及びジヒドロコデインリン酸塩は、依存性がある成分であることに留意する必要があります。また、これらの咳止め成分は12才未満の小児には使用禁忌となっています。
- デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
- ノスカピン
- チペピジンヒベンズ酸塩
- クロペラスチン塩酸
- ナンテンジツ(生薬成分)
(e) 痰の切れを良くする成分(去痰成分)
- グアイフェネシン
- グアヤコールスルホン酸カリウム
- ブロムヘキシン塩酸塩
- エチルシステイン塩酸塩
生薬成分
- シャゼンソウ
- セネガ
- キキョウ
- セキサン
- オウヒ
(f) 炎症による腫れを和らげる成分(抗炎症成分)
鼻粘膜や喉の炎症による腫れを和らげることを目的として、トラネキサム酸、グリチルリチン酸二カリウム等が配合されている場合があります
体内での起炎物質の産生を抑制することで炎症の発生を抑え、腫れを和らげます。ただし、凝固した血液を溶解されにくくする働きもあるため、血栓のある人(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎等)や血栓を起こすおそれのある人に使用する場合は、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談するなどの対応が必要です。
グリチルリチン酸二カリウムの作用本体であるグリチルリチン酸は、化学構造がステロイド性抗炎症成分に類似していることから、抗炎症作用を示すと考えられています。グリチルリチン酸を大量に摂取すると、偽アルドステロン症を生じるおそれがあります。
むくみ、心臓病、腎臓病又は高血圧のある人や高齢者では偽アルドステロン症を生じるリスクが高いため、それらの人に1日最大服用量がグリチルリチン酸として 40mg 以上の製品を使用する場合は、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談する等、事前にその適否を十分考慮するとともに、偽アルドステロン症の初期症状に常に留意する等、慎重に使用する必要があります。また、どのような人が対象であっても、1日最大服用量がグリチルリチン酸として 40mg 以上となる製品は長期連用を避けるべきです。
医薬品ではグリチルリチン酸としての1日摂取量が 200mg を超えないよう用量が定められているが、かぜ薬以外の医薬品にも配合されていることが少なくなく、また、グリチルリチン酸二カリウムは甘味料として一般食品や医薬部外品などにも広く用いられているため、医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等に対して、グリチルリチン酸の総摂取量が継続して過剰にならないよう注意を促す必要があります。グリチルリチン酸を含む生薬成分として、カンゾウが配合されている場合もあります。
かぜ薬、解熱鎮痛薬、アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)等では、グリチルリチン酸二カリウム等のグリチルリチン酸を含む成分が配合されているか否かによらず、長期連用は避けることとされています。
発汗、抗炎症等の作用を目的として、カミツレ等の生薬成分が配合されている場合があります。
(g) 漢方処方成分等
- 葛根湯
- 麻黄湯
- 小柴胡湯
- 柴胡桂枝湯
- 小青竜湯
- 桂枝湯
- 香蘇散
- 半夏厚朴湯
- 麦門冬湯
半夏厚朴湯を除くいずれも、構成生薬としてカンゾウ(甘草)を含みます。また、麻黄湯、葛根湯、小青竜湯には、構成生薬としてマオウを含みます。
半夏厚朴湯、麦門冬湯については、第3章-5日目:Ⅱ-① 鎮咳去痰薬にて説明しています。
マオウを含有するものは、全て発汗傾向の著しい人は不向きです。
体力中等度以上のものの感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛みに適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされています。
まれに重篤な副作用として肝機能障害、偽アルドステロン症を生じることが知られています。
カンゾウ マオウ
語呂合わせで覚えよう!
肩こると 風邪ひいたかな
葛根湯 感冒の初期
体力充実して、かぜのひきはじめで、寒気がして発熱、頭痛があり、咳が出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの感冒、鼻かぜ、気管支炎、鼻づまりに適すとされるが、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感、発汗過多、全身脱力感等の副作用が現れやすい等、不向きとされます。
漢方処方製剤としての麻黄湯では、マオウの含有量が多くなるため、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)は使用を避ける必要があります。
カンゾウ マオウ
語呂合わせで覚えよう!
魔王は 体力充実していたが 風邪をひいて 体の節々が痛くなった
麻黄湯 体力充実 風の引き始め 身体の節々が痛く
体力中等度で、ときに脇腹(腹)からみぞおちあたりにかけて苦しく、食欲不振や口の苦味があり、舌に白苔がつくものの食欲不振、吐きけ、胃炎、胃痛、胃腸虚弱、疲労感、かぜの後期の諸症状に適すとされ、また、胃腸虚弱、胃炎のような消化器症状にも用いられるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)には不向きとされるます
カンゾウ
語呂合わせで覚えよう!
小さい柴犬 溝に落ちて 真っ白に
小柴胡湯 みぞおちあたりにかけて苦しく 舌に白苔
インターフェロン製剤で治療を受けている人では、間質性肺炎の副作用が現れるおそれが高まるため、使用を避ける必要があります。また、肝臓病自体が、間質性肺炎を起こす要因のひとつとされており、肝臓病の診断を受けた人では、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談するなどの対応が必要です。
インターフェロン製剤とはウイルス性肝炎の治療などのため、医療機関で施用される注射薬(医療用医薬品)です
体力中等度又はやや虚弱で、多くは腹痛を伴い、ときに微熱・寒気・頭痛・吐きけなどのあるものの胃腸炎、かぜの中期から後期の症状に適すとされています。
カンゾウ
語呂合わせで覚えよう!
サイコーな 刑事は 風の中でも 後期
湯柴胡桂枝湯 風の中期 後期の症状
小柴胡湯、柴胡桂枝湯ともに、まれに重篤な副作用として間質性肺炎、肝機能障害を生じることが知られており、その他の副作用として、膀胱炎様症状(頻尿、排尿痛、血尿、残尿感)が現れることもあります。
体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様の痰を伴う咳や鼻水が出るものの気管支炎、気管支喘息、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされます。
まれに重篤な副作用として、肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症を生じることが知られています。
カンゾウ マオウ
語呂合わせで覚えよう!
小さい青い竜は 石炭が 効かん
小青竜湯 咳と痰 気管支炎
体力虚弱で、汗が出るもののかぜの初期に適すとされます。
カンゾウ
語呂合わせで覚えよう!
あの刑事だって 初期は 虚弱で 焦ってた
桂枝湯 風邪の初期 虚弱 汗が出るものの
体力虚弱で、神経過敏で気分がすぐれず胃腸の弱いもののかぜの初期、血の道症に適す。
カンゾウ
語呂合わせで覚えよう!
控訴する 気分がすぐれないから 初期値は弱い
香蘇散 気分がすぐれず 風邪の初期 値(血)は 体力虚弱
血の道症とは
月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモン変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状及び身体症状。
過去問にチャレンジ
以下の記述にあてはまるかぜ薬の漢方処方製剤として、最も適切なものを下から一つ選びなさい
体力充実して、かぜのひきはじめで、寒気がして発熱、頭痛があり、咳が出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの感冒、鼻かぜ、気管支炎、鼻づまりに適すとされるが、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感、発汗過多、全身脱力感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
- 桂枝湯
- 麻黄湯
- 小柴胡湯
- 小青竜湯
- 半夏厚朴湯
解答と解説
正解は2番(麻黄湯)です
(h) 鎮静成分
解熱鎮痛成分の鎮痛作用を補助する目的でブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素等の鎮静成分が配合されている場合があります。これらの鎮静成分には、いずれも依存性があることに留意する必要があります。
- ブロモバレリル尿素
- アリルイソプロピルアセチル尿素
(i) 胃酸を中和する成分(制酸成分)
解熱鎮痛成分(生薬成分の場合を除く。)による胃腸障害の軽減を目的として、ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムゲル等の制酸成分が配合されていることがあります。なお、この場合、胃腸薬のように、胃腸症状に対する薬効を標榜することは認められていません。
- ケイ酸アルミニウム
- 酸化マグネシウム
- 水酸化アルミニウムゲル等の制酸成分
(j) カフェイン類
解熱鎮痛成分(生薬成分の場合を除く。)の配合に伴い、その鎮痛作用を補助する目的で、カフェイン、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン等が配合されている場合があります。なお、カフェイン類が配合されているからといって、必ずしも抗ヒスタミン成分や鎮静成分の作用による眠気が解消されるわけではありません。
カフェインとだけ覚えておけば大丈夫です
(k) その他:ビタミン成分等
かぜの時に消耗しやすいビタミン又はビタミン様物質を補給することを目的として、
粘膜の健康維持・回復に重要なビタミンC(アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム等)、ビタミンB2(リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム等)、ヘスペリジンや、疲労回復の作用のあるビタミンB1(チアミン硝化物、フルスルチアミン塩酸塩、ビスイブチアミン、チアミンジスルフィド、ベンフォチアミン、ビスベンチアミン等)、アミノエチルスルホン酸(タウリン)等が配合されている場合があります。また、強壮作用等を期待してニンジンやチクセツニンジン等の生薬成分等が配合されている場合もあります。
3)主な副作用、相互作用、受診勧奨
主な副作用
かぜ薬の重篤な副作用は、配合されている解熱鎮痛成分(生薬成分を除く。)によるものが多いです。まれに、ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、喘息、間質性肺炎が起きることがあるが、これらはかぜ薬(漢方処方成分、生薬成分のみから成る場合を除く。)の使用上の注意では、配合成分によらず共通に記載されています。このほか配合成分によっては、まれに重篤な副作用として、肝機能障害、偽アルドステロン症、腎障害、無菌性髄膜炎を生じることがあります。また、その他の副作用として、皮膚症状(発疹・発赤、掻痒感)、消化器症状(悪心・嘔吐、食欲不振)、めまい等のほか、配合成分によっては、眠気や口渇、便秘、排尿困難等が現れることがあります。
相互作用
かぜ薬には、通常、複数の有効成分が配合されているため、他のかぜ薬や解熱鎮痛薬、鎮咳去痰薬、鼻炎用薬、アレルギー用薬、鎮静薬、睡眠改善薬などが併用されると、同じ成分又は同種の作用を持つ成分が重複して、効き目が強くなりすぎたり、副作用が起こりやすくなるおそれがあります。
かぜに対する民間療法として、しばしば酒類(アルコール)が用いられるが、アルコールは医薬品の成分の吸収や代謝に影響を与えるため、肝機能障害等の副作用が起こりやすくなります。したがって、かぜ薬の服用期間中は、飲酒を控える必要があります。
受診勧奨
かぜ薬の使用は、発熱や頭痛・関節痛、くしゃみ、鼻汁・鼻閉(鼻づまり)、咽喉痛、咳、痰等の症状を緩和する対症療法です。一定期間又は一定回数使用して症状の改善がみられない場合は、かぜとよく似た症状を呈する別の疾患や細菌感染の合併等が疑われるため、一般用医薬品で対処することは適当でない可能性があります。このような場合には、医薬品の販売等に従事する専門家は、購入者等に対して、漫然とかぜ薬の使用を継続せずに、医療機関を受診するよう促すべきです。
特に、かぜ薬の使用後に症状が悪化した場合には、間質性肺炎やアスピリン喘息等、かぜ薬自体の副作用による症状が現れた可能性もあります。なお、高熱、黄色や緑色に濁った膿性の鼻汁・痰、喉(扁桃)の激しい痛みや腫れ、呼吸困難を伴う激しい咳といった症状がみられる場合は、一般用医薬品によって自己治療を図るのではなく、初めから医療機関での診療を受けることが望ましいです。また、慢性の呼吸器疾患、心臓病、糖尿病等の基礎疾患がある人の場合も、基礎疾患の悪化や合併症の発症を避けるため、初めから医療機関を受診することが望ましいです。
小児のかぜでは、急性中耳炎を併発しやすいです。また、症状が長引くような場合は、医療機関で診療を受けるなどの対応が必要です。また、2歳未満の乳幼児には、医師の診断を受けさせることを優先し、止むを得ない場合にのみ服用させることとされています。
お疲れさまでした。
今回はかぜ薬について勉強したけど、これから解熱鎮痛薬や、鎮咳薬など個々に詳しく学んでいきますので、まずは読み流す形で大枠のイメージを膨らませていきましょう。