第3章 -23日目 – 公衆衛生用薬(消毒薬)
1 消毒薬
1)感染症の防止と消毒薬
感染症は、病原性のある細菌、寄生虫やウイルスなどが体に侵入することによって起こる望ましくない反応で、日常生活で問題となるのは、飛沫感染するものや経口感染するものが多いです。
特に食中毒は、手指や食品、調理器具等に付着した細菌、寄生虫やウイルスが、経口的に体内に入って増殖することで生じます。一般に、夏は細菌による食中毒が、冬はウイルスによる食中毒が発生することが多いと言われています。通常の健康状態にある人では、生体に元来備わっている防御機能が働くため、一般的には、石けんで十分に手洗いを行い、器具等については煮沸消毒等を行うといった対応により食中毒を防止することができます。しかし、煮沸消毒が困難な器具等もあり、また、食中毒の流行時期や、明らかに感染者が身近に存在するような場合には、集団感染を防止するため念入りに、化学薬剤(消毒薬)を用いた処置を行うことが有効とされます。