登録販売者試験に合格するために独学で学ばれてる方にも
分かりやすく解説とポイントを押さえていきます。
過去問題から作成したテストもあります。
さぁ、合格目指して頑張っていきましょう。
1章は僕が担当するね。
第1章からの出題が120問中20問出題されます。
全章の中でもっとも優しく作られて、問題のレベルも常識的に解ける問題も多いです。第1章でしっかり得点を取って、合格点への得点源としていきましょう。さぁ、頑張っていこうね
1)医薬品の本質
医薬品とは?
医薬品は、多くの場合、人体に取り込まれて作用し、効果を発現させるものです。
しかし、本来、医薬品も人体にとっては異物(外来物)であるため、また、医薬品が人体に及ぼす作用は複雑、かつ、多岐に渡り、そのすべては解明されていないため、必ずしも期待される有益な効果(薬効)のみをもたらすとは限らず、好ましくない反応(副作用)を生じる場合もあります。
医薬品についてもっと詳しく学んでいこう
生命関連製品であり、有用性が認められたもの
医薬品は、人の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人の身体の構造や機能に影響を及ぼすことを目的とする生命関連製品であり、その有用性が認められたものです。
使用には、保健衛生上のリスクを伴うものであることに注意が必要
医療用医薬品と比較すればリスクは相対的に低いと考えられる一般用医薬品であっても同様であり、科学的な根拠に基づく適切な理解や判断によって適正な使用が図られる必要があります。
区別して覚えよう
医薬品には医療用医薬品と一般用医薬品などがあり
医療用医薬品:医師の処方箋や指示により使用する医薬品
一般用医薬品:一般の生活者がドラッグストア等で自分で選択して使用する医薬品
一般用医薬品は医療用医薬品と比較すればリスクは相対的に低いです
人体に対して使用されない医薬品についても、例えば、殺虫剤の中には誤って人体がそれに曝さらされれば健康を害するおそれがあるものもあり、検査薬は検査結果について正しい解釈や判断がなされなければ医療機関を
受診して適切な治療を受ける機会を失うおそれがあるなど、人の健康に影響を与えるものもあります。
適切な情報提供
医薬品は、効能効果、用法用量、副作用等の必要な情報が適切に伝達されることを通じて、購入者等が適切に使用することにより、初めてその役割を十分に発揮するものです。
一般の生活者においては、添付文書や製品表示に記載された内容を見ただけでは、効能効果や副作用等について誤解や認識不足を生じることもあり、購入者等が、一般用医薬品を適切に選択し、適正に使用するためには、
その販売に専門家が関与し、専門用語を分かりやすい表現で伝えるなどの適切な情報提供を行い、また、購入者等が知りたい情報を十分に得ることができるように、相談に対応することが不可欠です。
市販後にも、医学・薬学等の新たな知見、その有効性、安全性等の確認が行われる仕組み
リスク区分の見直し、承認基準の見直し等がなされ、販売時の取扱い、製品の成分分量、効能効果、用法用量、使用上の注意等が変更となった場合には、それが添付文書や製品表示の記載に反映されます。
医薬品は、このような知見の積み重ねや使用成績の結果等によって、有効性、安全性等に関する情報が集積されており、随時新たな情報が付加されるものです。
一般用医薬品の販売に従事する専門家においては、これらに円滑に対応できるよう常に新しい情報の把握に努める必要があります。
高い水準で均一な品質が保証されていなければならない
医薬品は、人の生命や健康に密接に関連するものであるため、高い水準で均一な品質が
保証されていなければなりません。医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律では、健康被害の発生の可能性の有無にかかわらず、異物等の混入、変質等がある医薬品を販売等してはならない旨を定めており、医薬品の販売等を行う者においても、そのようなことがないよう注意するとともに、製造販売業者による製品回収等の措置がなされることもあるので、製造販売業者等からの情報に日頃から留意しておくことが重要です。
一般用医薬品として販売される製品は、製造物責任法(「PL法」)の対象でもあります。PL法は、製造物の欠陥により、人の生命、身体、財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めており、販売した一般用医薬品に明らかな欠陥があった場合などは、PL法の対象となりえることも理解しておく必要があります。
過去問にチャレンジ
医薬品の本質に関する次の記述のうち、正誤を答えよ。
- 一般用医薬品は、効能効果、用法用量、副作用等の情報を購入者等に適切に伝達するため、添付文書や製品表示に必要な情報が記載されている。
- 医薬品は、人の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人の身体の構造や機能に影響を及ぼすことを目的とする生命関連製品である。
- 一般用医薬品は、一般の生活者が自ら選択し、使用するものであり、添付文書を見れば、効能効果や副作用等について誤解や認識不足を生じることはない。
- 検査薬の検査結果については、正しい解釈や判断がなされなくても、適切な治療を受ける機会を失うおそれはない。
解答と解説
(1)〇
(2)〇
(3)×
(4)× :正しい解釈や判断がなされなければ医療機関を受診して適切な治療を受ける機会を失うおそれがあります。
2)医薬品のリスク評価
医薬品を作ったら即販売なんてできないんだ
まずは、動物実験や治験を通してその医薬品のリスクを評価しなくちゃいけない
用量と作用強度の関係(用量-反応関係)
医薬品は、使用方法を誤ると健康被害を生じることがあり、医薬品の効果とリスクは、
用量と作用強度の関係(用量-反応関係)に基づいて評価されます。
投与量と効果又は毒性の関係は
- 無作用量 :効果が検出されない量
- 最小有効量 :治療効果が表れる最小用量
- 治療量~治療量上限 :作用が発現するが、毒性は少ない量
- 中毒量 :効果よりも有害反応が強く発現する量
- 最小致死量 :死亡する最小量
- 致死量 :死に至る量
投与量と毒性の関係では、「無作用量→最小有効量→治療量→治療量上限→中毒量→最小致死量→致死量」の順で、薬物用量が増えていきます。
動物実験により求められる50%致死量(LD50)は、薬物の毒性の指標として用いられます。
治療量を超えた量を単回投与した後に毒性が発現するおそれが高いことは当然ですが、
少量の投与でも長期投与されれば慢性的な毒性が発現する場合もあります。
少量の医薬品の投与でも発がん作用、胎児毒性や組織・臓器の機能不全を生じる場合もあります。
新規に開発される医薬品のリスク評価
新規に開発される医薬品のリスク評価は、医薬品開発の国際的な標準化(ハーモナイゼーション)
制定の流れのなかで、個々の医薬品の用量-反応関係に基づいて、下記で説明するGLPの他に医薬品の安全性に関する非臨床医薬品毒性試験法ガイドラインに沿って、単回投与毒性試験、反復投与毒性試験、生殖・発生毒性試験、遺伝毒性試験、がん原性試験、依存性試験、抗原性試験、局所刺激性試験、皮膚感作性試験、皮膚光感作性試験などの毒性試験が厳格に実施されています。
具体的には…
Good Laboratory Practice(GLP)
医薬品の安全性に関する非臨床試験の基準
Laboratoryとは実験室や研究室という意味があるので、動物を対象とした試験基準なんだとイメージしましょう
Good Clinical Practice (GCP)
動物実験で医薬品の安全性が確認されると、ヒトを対象とした臨床試験が行われる。
ヒトを対象とした臨床試験の実施の基準これに準拠した手順で安全な治療量を設定することが新規医薬品の開発に関連する臨床試験(治験)の目標の一つ
Clinicalは病床、臨床という意味があるので、ヒトを対象とした試験基準だとイメージしましょう
Good Post-marketing-Study Practice (GPSP)
医薬品に対しての製造販売後の調査及び試験の実施の基準
Post-marketingとは、市販後という意味だね
Good Vigilance Practice (GVP)
医薬品に対しての製造販売後安全管理の基準
Vigilanceとは、警戒、用心という意味を連想して、製造販売後の安全管理基準と覚えよう
このように、医薬品については、食品などよりもはるかに厳しい安全性基準が要求されています。
英語の文字がいっぱいで覚えるの大変だよ~
そうだね覚えにくいよね~
キーワードで覚えやすくなるかも
でもね、よく出題されるから必ず覚えよう
過去問にチャレンジ
医薬品のリスク評価に関する次の記述の正誤について答えよ
- 少量の医薬品の投与では、発がん作用、胎児毒性や組織・臓器の機能不全を生じる場合はないとされている。
- ヒトを対象とした臨床試験における効果と安全性の評価基準には、国際的にGood Clinical Practice(GCP)が制定されている。
- 「無作用量」とは、薬物の効果が発現し、有害反応が発現しない最大の投与量のことである。
- 医薬品に対しては、製造販売後の調査及び試験の実施基準としてGood Vigilance Practice(GVP)が制定されている。
回答と解説
(1)× : 少量の医薬品の投与でも発がん作用、胎児毒性や組織・臓器の機能不全を生じる場合もあります。
(2)〇
(3)× : 「無作用量」とは、効果が検出されない量のこと。
(4)× :製造販売後の調査及び試験の実施基準としてはGood Post-marketing-Study Practice (GPSP)が制定されています。
3)健康食品
保健機能食品
健康食品の中でも国が示す要件を満たす食品「保健機能食品」は、一定の基準のもと健康増進の効果等を表示することが許可された健康食品です。保健機能食品」には現在、以下の3種類があります。
特定保健用食品
「特定保健用食品」は、身体の生理機能などに影響を与える保健機能成分を含むもので、個別に(一部は規格基準に従って)特定の保健機能を示す有効性や安全性などに関する国の審査を受け、許可(消費者庁の許可マーク)されたものです。
健康増進法に基づく許可又は承認を受けた特定保健用食品であるキシリトールを含む食品については、「虫歯の原因になりにくい食品」です
などの表示をすることができます
栄養機能食品
「栄養機能食品」は、身体の健全な成長や発達、健康維持に必要な栄養成分(ビタミン、ミネラルなど)の補給を目的としたもので、国が定めた規格基準に適合したものであれば、その栄養成分の健康機能を表示できます。国の個別の許可を受けたものではありません。
機能性表示食品
「機能性表示食品」は、事業者の責任で科学的根拠をもとに疾病に罹患していない者の健康維持及び増進に役立つ機能を商品のパッケージに表示するものとして国に届出された商品ですが、特定保健用食品とは異なり国の個別の許可を受けたものではありません。
疾病に罹患していない者とは(=疾病にかかっていない者)という意味です
いわゆる健康食品は、その多くが摂取しやすいように錠剤やカプセル等の医薬品に類似した形状で販売されています。健康食品においても、誤った使用方法や個々の体質により健康被害を生じた例も報告されています。また、医薬品との相互作用で薬物治療の妨げになることもあります。健康食品は、食品であるため、摂取しても安全で害が無いかのようなイメージを強調したものも見られますが、法的にも、また安全性や効果を担保する科学的データの面でも医薬品とは異なることを十分理解しておく必要があります。一般用医薬品の販売時にも健康食品の摂取の有無について確認することは重要で、購入者等の健康に関する意識を尊重しつつも、必要があればそれらの摂取についての指導も行うべきです。
4)セルフメディケーションへの積極的な貢献
世界保健機関(WHO)によれば、セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」とされているよ
急速に少子高齢化が進む中、持続可能な医療制度の構築に向け、医療費の増加やその国民負担の増大を解決し、健康寿命を伸ばすことが日本の大きな課題です。セルフメディケーションを的確に推進するためにも、一般用医薬品の販売等を行う登録販売者は、一般用医薬品等に関する正確で最新の知識を常に修得するよう心がけるとともに、地域住民の健康維持・増進、生活の質(QOL)の改善・向上などに携わることが望まれます。
平成29年1月からは、適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を進める観点から、条件を満たした場合にスイッチOTC医薬品の購入の対価について、一定の金額をその年分の総所得金額等から控除するセルフメディケーション税制が導入され、令和4年1月の見直しにより、スイッチOTC医薬品以外にも腰痛や肩こり、風邪やアレルギーの諸症状に対応する一般用医薬品が税制の対象となっています
一般用医薬品は、カウンター越しに(OTC(Over The Counter))販売等されることからOTC医薬品と呼ばれ、このうち、医師等の診断、処方箋に基づき使用されていた医療用医薬品を薬局や店舗販売業などで購入できるように転用(スイッチ)した医薬品をスイッチOTC医薬品といいます。
過去問にチャレンジ
いわゆる健康食品に関する記述の正誤を答えよ。
- 古くから特定の食品摂取と健康増進との関連は関心を持たれてきた。
- 「特定保健用食品」は、個別に特定の保健機能を示す有効性や安全性などに関する国の審査を受け、許可されたものである。
- 健康食品においても、誤った使用方法や個々の体質により健康被害を生じることがある。
- 健康食品は、カプセル、錠剤等の医薬品と類似した形状では販売されていない。
回答と解説
(1)〇
(2)〇
(3)〇
(4)× :多くが摂取しやすいように錠剤やカプセル等の医薬品に類似した形状で販売されています。
お疲れ様でした。
合格への第一歩が始まったね。
これから一緒に頑張っていきましょう~。