登録販売者試験に合格するために独学で学ばれてる方にも
分かりやすく解説とポイントを押さえていきます。
過去問題から作成したテストもあります。
さぁ、合格目指して頑張っていきましょう。
今回は適切な医薬品選択と受診勧奨を学んでいきます
1)一般用医薬品で対処可能な症状等の範囲
一般用医薬品は、法において「医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)」(第4条第5項第4号)と定義されています。
人体に対する作用が著しくないもの
需要者の選択により使用される
がポイントだよ
一般用医薬品の役割
- 軽度な疾病に伴う症状の改善
- 生活習慣病ix等の疾病に伴う症状発現の予防(科学的・合理的に効果が期待できるものに限る。)
- 生活の質(QOL)の改善・向上
- 健康状態の自己検査
- 健康の維持・増進
- その他保健衛生
6つがあり、医療機関での治療を受けるほどではない体調不良や疾病の初期段階、あるいは日常において、生活者が自らの疾病の治療、予防又は生活の質の改善・向上を図ることを目的としています。
近年、急速な高齢化の進展や生活習慣病の増加など疾病構造の変化、生活の質の向上への要請等に伴い、自分自身の健康に対する関心が高い生活者が多くなっています。そのような中で、専門家による適切なアドバイスの下、身近にある一般用医薬品を利用する「セルフメディケーション」の考え方がみられるようになってきています。セルフメディケーションの主役は一般の生活者であり、一般用医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等に対して常に科学的な根拠に基づいた正確な情報提供を行い、セルフメディケーションを適切に支援していくことが期待されています。したがって、情報提供は必ずしも医薬品の販売に結びつけるのでなく、医療機関の受診を勧めたり(受診勧奨)、医薬品の使用によらない対処を勧めることが適切な場合があることにも留意する必要があります。
他にも医薬品の使用によらない対処を勧めることが適切な場合があることにも留意する必要があります
- 症状が重いとき(例えば、高熱や激しい腹痛がある場合、患部が広範囲である場合等)に、一般用医薬品を使用することは、一般用医薬品の役割にかんがみて、適切な対処とはいえない。体調不良や軽度の症状等について一般用医薬品を使用して対処した場合であっても、一定期間若しくは一定回数使用しても症状の改善がみられない又は悪化したときには、医療機関を受診して医師の診療を受ける必要がある。
- 一般用医薬品で対処可能な範囲は、医薬品を使用する人によって変わってくるものであり、例えば、乳幼児や妊婦等では、通常の成人の場合に比べ、その範囲は限られてくることにも留意される必要がある。
- スポーツ競技者については、医薬品使用においてドーピングに注意が必要である。一般用医薬品にも使用すればドーピングに該当する成分を含んだものがあるため、スポーツ競技者から相談があった場合は、専門知識を有する薬剤師などへの確認が必要である
過去問にチャレンジ
一般用医薬品で対処可能な症状等の範囲に関する次の記述の正誤について、答えよ。
- 症状が重いとき(例えば、高熱や激しい腹痛がある場合、患部が広範囲である場合等)には、まず、一般用医薬品を使用することが適切な対処である。
- 一般用医薬品を一定期間使用しても症状の改善がみられないときには、医療機関を受診して医師の診療を受ける必要がある。
- 一般用医薬品で対処可能な範囲は、医薬品を使用する人によって変わるものではない。
解答と解説
(1)× :医療機関を受診して医師の診療を受ける必要がある
(2)〇
(3)× :乳幼児や妊婦等では、通常の成人の場合に比べ、その範囲は限られてくることにも留意される必要がある。
2)販売時のコミュニケーション
一般用医薬品は、一般の生活者がその選択や使用を判断する主体であり、生活者が自らの健康上の問題等について一般用医薬品を利用して改善を図ろうとすること、すなわち生活者のセルフメディケーションに対して、登録販売者は、第二類医薬品及び第三類医薬品の販売、情報提供等を担う観点から、支援していくという姿勢で臨むことが基本となります。
医薬品の適正な使用のため必要な情報は、基本的に添付文書や製品表示に記載されていますが、それらの記載は一般的・網羅的な内容となっているため、個々の購入者や使用者にとって、どの記載内容が当てはまり、どの注意書きに特に留意すべきなのか等について適切に理解することは必ずしも容易でなく、十分に目を通さずに医薬品が使用されるおそれもあります。また、購入者等があらかじめ購入する医薬品を決めていることも多いですが、使う人の体質や症状等にあった製品を事前に調べて選択しているのではなく、宣伝広告や販売価格等に基づいて漠然と選択していることも少なくありません。
医薬品の販売に従事する専門家においては、購入者等が、自分自身や家族の健康に対する責任感を持ち、適切な医薬品を選択して、適正に使用するよう、働きかけていくことが重要です。
専門家からの情報提供は、単に専門用語を分かりやすい平易な表現で説明するだけでなく、説明した内容が購入者等にどう理解され、行動に反映されているか、などの実情を把握しながら行うことにより、その実効性が高まるものである。購入者等が適切な医薬品を選択し、実際にその医薬品を使用する人が必要な注意を払って適正に使用していくためには、医薬品の販売に従事する専門家が、可能な限り、購入者等の個々の状況の把握に努めることが重要となります。
一般用医薬品の場合、必ずしも情報提供を受けた当人が医薬品を使用するとは限らないことを踏まえ、販売時のコミュニケーションを考える必要があります。
医薬品の販売等に従事する専門家が購入者等から確認しておきたい基本的なポイントとしては、次のような事項が挙げられます
- 何のためにその医薬品を購入しようとしているか(購入者等のニーズ、購入の動機)
- その医薬品を使用するのは情報提供を受けている当人か、又はその家族等が想定されるか
- その医薬品を使用する人として、小児や高齢者、妊婦等が想定されるか
- その医薬品を使用する人が医療機関で治療を受けていないか
- その医薬品を使用する人が過去にアレルギーや医薬品による副作用等の経験があるか
- その医薬品を使用する人が相互作用や飲み合わせで問題を生じるおそれのある他の医薬品の使用や食品の摂取をしていないか
- その医薬品がすぐに使用される状況にあるか(その医薬品によって対処しようとする症状等が現にあるか)
- 症状等がある場合、それはいつ頃からか、その原因や患部等の特定はなされているか
なお、第一類医薬品を販売する場合は、③~⑤の事項を販売する薬剤師が確認しなければならず、第二類医薬品を販売する場合は、③~⑤の事項を販売する薬剤師又は登録販売者が確認するよう努めなければなりません。
こうした購入者側の状況を把握するには、医薬品の販売等に従事する専門家から購入者等に尋ねることが少なくないですが、会話しやすい雰囲気づくりに努め、購入者等が健康への高い関心を有する生活者として参加意識を持って、医薬品を使用する状況等について自らの意志で伝えてもらえるよう促していくことが重要です。
しかし、購入者自身、何を期待して医薬品を購入するのか漠然としている場合もあり、また、購入者側に情報提供を受けようとする意識が乏しく、コミュニケーションが成立しがたい場合もあります。医薬品の販売等に従事する専門家は、そうした場合であっても、購入者側から医薬品の使用状況に係る情報をできる限り引き出し、可能な情報提供を行っていくためのコミュニケーション技術を身につけるべきです。例えば、情報提供を受ける購入者等が医薬品を使用する本人で、かつ、現に症状等がある場合には、言葉によるコミュニケーションから得られる情報のほか、その人の状態や様子全般から得られる情報も、状況把握につながる重要な手がかりとなります。また、購入者等が医薬品を使用する状況は随時変化する可能性があるため、販売数量は一時期に使用する必要量とする等、販売時のコミュニケーションの機会が継続的に確保されるよう配慮することも重要です。
過去問にチャレンジ
一般用医薬品の販売時におけるコミュニケーション及び情報提供に関する次の記述の正誤について、答えよ。
- 医薬品の販売に従事する専門家は、生活者のセルフメディケーションに対して支援していくという姿勢で臨むことが基本である。
- 医薬品の販売に従事する専門家は、購入者等が、自分自身や家族の健康に対する責任感を持ち、適切な医薬品を選択して、適正に使用するよう、働きかけていくことが重要である。
- 一般用医薬品の場合、必ずしも情報提供を受けた当人が医薬品を使用するとは限らないことを踏まえ、販売時のコミュニケーションを考える必要がある。
- 医薬品の情報提供は、使用する人に誤認が生じないよう正確な専門用語を用い、相手によって表現を変えることのないよう注意して行う。
解答と解説
(1)〇
(2)〇
(3)〇
(4)× :専門用語を分かりやすい平易な表現で説明するだけでなく、購入者の理解度や、医薬品の使用状況等に即して説明がなされるべきである
お疲れさまでした
今回は覚えるというよりは読めば理解できる内容が多かったと思いますが、一般用医薬品の役割やセルフメディケーションの主役は一般の生活者であることはしっかり覚えておきましょう。
1章-Ⅲ適切な医薬品選択と受診勧奨についてでした。